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2007年3月 9日 (金)

シルクロードが結ぶ、西域と伊勢国

伊勢屋主人です。

本日は、お馴染みの四日市市立博物館で開催されております、『正倉院 その源流を訪ねて ~ シルクロードを旅した美術』を拝見してまいりました。
この博物館の企画展らしく、今回の展示も非常に見ごたえのある内容となっており、常に高水準な展示を実現するその真摯な姿勢に、主人は感服いたしております。

さて、今回の企画展は、日本美術の出発点の一つである、正倉院に収められた御物を振り出しに、朝鮮・中国、さらにインド・ペルシア・ローマへとその道筋を辿ることで、その文化交流の様子を見ていこうとするものでありました。

Silk01

ですので、展示も正倉院に始まり、中国~西域~ローマという循環で配置されており、とても見やすく、かつ理解しやすいものです。
また一回見てさらに興味のあるところをまた見ることが出来る、非常に配慮のある展示のかたちと、主人は思いました。

今回は、展示品の中で主人が興味を持ったものをご紹介します。
まず、会場に入った正面に展示されているのが、この「サモトラケのニケ」。もちろん、本物はルーブル美術館に所蔵されており、これはレプリカです。
この「ニケ」ですが、国内に9体ものレプリカがあるとのことで、少しびっくり。

Silk02

こちらは、通常はJR奈良駅に展示されているものですが、間近で見ると躍動感溢れるその姿に圧倒されます。
レプリカとはいえ、かなりのものですが、これはとりもなおさず、実物にそれだけのパワーがある、ということを証明しているのでしょうね。

これはササン朝ペルシアで作られた、銀のお皿です。

Silk03

精巧なレリーフが、お分かりになるでしょうか。
左上に、馬上で狩をする王が、右下にライオンが描かれています。
実にダイナミックな描写で、目が引き付けられてしまいます。

こちらの二つは、中国で作られた俑です。

Silk06

これは、馬を御する人。手綱を操る腕の動きが、巧みです。
さらに、その後ろに乗る犬の姿が、またユーモラス。馬の背中で四肢を張る様子が、リアルにわかります。

Silk07

こちらは、らくだの背に乗る少年です。
らくだの大きさがややデフォルメされていますが、こちらもらくだ、少年ともに躍動感ある表現が秀逸です。
両者ともに、当時の風俗を知ることができ、とても興味深いものでありました。

最後のこれは、伊勢市の寂照寺で発見された仏龕(ぶつがん)。
仏龕とは、枕本尊とも呼ばれるのですが、一本の木を二つに割り、さらにその一つを二つに割って扉とし、その内部にたくさんの仏様を彫り込んだちいさな厨子です。
これの素材は白檀で、この貴重な香木の中に精密な彫刻を施してあります。

Silk05

この仏龕は、高さが約15cmくらいでしょうか、とても小さいものなのですが、その中に例えば仏様の腕などもレリーフではなくちゃんと彫りだされるなど、素晴らしい彫刻が施されています。ちょっと、この画像ではそこまではわかりにくいのが、残念ですが。
この仏龕は、四日市市立博物館が寂照寺を調査した折に発見されたもので、おそらく近い将来に国の重要文化財に指定されるだろう、とのこと。
まだまだこういった素晴らしい文化財が、人知れず眠っていることがあるのですね。

そもそも、この仏龕は中国で作られたものらしいのですが、どういう経緯で伊勢のお寺に流れ着いたのか。そんなことを想像すると、眠れなくなりそうなほど、わくわくしてしまいます。
だって、シルクロードの端っこが密かに伊勢に眠っていた、ということなのですから、悠久の歴史の一端を垣間見る思いがしませんか?

この企画展も、今週の日曜日 11日で終了です。
主人も以前より見たいと思いながら、最終週に駆け込みで見てまいりました。そして、無理して見に行った甲斐があった、と非常に満足しています。
必ず感じるものがある展示ですので、明日・明後日の二日間しか残る会期がありませんが、お近くの方はぜひご覧になることを、お勧めいたします。

【四日市市立博物館】
三重県四日市市安島一丁目3番16号
でんわ:059-355-2700
ホームページ:http://www.city.yokkaichi.mie.jp/museum/

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