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2007年3月25日 (日)

さんま寿司異聞

伊勢屋主人です。

大したことではないのですが、主人は寿司が大好きです。
主人くらいの年代ですと、子供時代のいちばんのご馳走は、お寿司ではなかったでしょうか? 「そのころのトラウマか?」と突っ込まれれば、「はい、確かに」と答えるしかありませんけれど(笑)

さてさて、ひと口に寿司と言ってもたくさんの種類がありますが、主人は東京っ子ですから握りがいちばんのお好みです! でも、まあ寿司と名の付くものは大体いけちゃいますね。
しかも、この寿司というもの、地方でさまざまなバリエーションがあるのが、またうれしいです。
東京の握り寿司、大阪の押し寿司に始まり、京都の鯖寿司、岡山のばら寿司、富山のます寿司、奈良の柿の葉寿司などなど、地域の特色のある寿司を訪ねて日本一周の旅など、いつかしてみたいもの、と常々思っているのです (^Q^)

ところで、ここ三重にも有名な寿司があります。それは、南伊勢から熊野にかけてよく作られる「さんま寿司」というもの。
このさんま寿司は、県外では和歌山そして宮城の気仙沼とかで作られていると聞いています。いずれにしても、どちらも秋刀魚の水揚げが多い地域で、作られているのは納得できるところです。

三重のさんま寿司は、例の戻り秋刀魚を使って作るものですので、あまり脂っ気のない秋刀魚が寿司飯の上に乗っかった、さっぱりとした寿司です。
ところが、南伊勢町の相賀浦(おうかうら)で作られるさんま寿司は、やけに脂が乗っているんですよ~。全然、秋刀魚の質が違うんです。
同じ三重県内なのに、この味の違いはなぜなんだろう、とずっと不思議に思っていました。

だって、そうでしょう。
熊野灘で獲れる秋刀魚はみな戻り秋刀魚ですから、東北からの長い回遊のために身に溜め込んだ脂は使い果たしてきています。ですので、脂がないのが当然なのです。
では、相賀浦だけ脂が乗っている秋刀魚が獲れるの? そんな訳ないですよね。。。

ところが、つい最近この謎が解けました。
この相賀浦という地域、かつてはサンマ漁の盛んな地域で、最盛期には遠く仙台・気仙沼沖あたりまで漁に出かける人々が多かったのだそうです。
当然、ここ相賀浦だけでなく他の港でもサンマ漁は行われていたのですが、ほとんどが熊野灘での操業で、こちらの場合は「戻り秋刀魚」を狙っての漁が行われていたのです。
一方、遠く東北まで秋刀魚を求めて行った相賀浦の人々にとって秋刀魚とは、長い回遊に出る前の脂の乗り切ったもの、であるのが常識だったのでしょう。
ですから、この港の方々が食べるさんま寿司は、脂の乗ったものでなければ、さんま寿司ではないのです。
当時は、獲りたての秋刀魚を、船の上で寿司にして食べたのでしょうか。そして、おそらくその味を秋刀魚とともに、故郷の港に伝えたのでしょうね。
現在では、北海道の厚岸産の秋刀魚などを使って、さんま寿司を作っているそうです。

この話を聞いたとき、正直少し驚きました。
たったひとつ湾を隔てただけで、秋刀魚に対する概念が違い、しかもそれは、しっかりとした歴史の積み重ねの結果から来ているのですから。思わず、「ふ~む」と唸ってしまいましたね。
ひとに歴史あり、そして地域に歴史あり、ということを、ひたひたと実感いたしました。

というわけで、今宵いただく相賀浦のさんま寿司、こころして味わうことといたしましょう。
ホラ、脂が乗っていて、美味しそうでしょう? (^^)

Sanmasusi_1

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コメント

南紀、とくにみかんの産地、例えば三浜町・熊野市などでは、酢の変わりに柑橘類の汁!
妙に美味しいものですよ!

投稿: mga | 2007年3月30日 (金) 00時43分

mga様、いらっしゃいませ! 伊勢屋主人です。
ほほう、南紀ではそのようなことをするのですね。
この前、デコタンご飯なるものを教わりました。
これはデコタンの果皮と果汁を入れて、ご飯を炊くものですが、意外や洋食に合います。
こちらも、お試しあれ!

投稿: 伊勢屋主人 | 2007年3月30日 (金) 09時01分

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