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2007年2月17日 (土)

二見町ぞめき歩き その禄 ~ 上がりは、めでたし夫婦岩

伊勢屋主人です。

ほぼ一週間にわたってお伝えいたしました、「二見町そめぞ歩き」。
みなさまにおかれましては、長々とお付き合いいただき、誠に有難うございました。

今回のお題が「二見町ぞめき歩き」なので、本来ならば前回で〆め! なのですが、ここ二見は夫婦岩で有名な二見興玉神社の門前町。であれば、こちらに詣でなくてはバチがあたる、というものでございます。
というわけで、双六の上りとして(不謹慎か?...)、ちゃんとお参りをしてまいりましたよ (^o^)/

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ああ、やっぱり快晴の日の海は、いいですねえ。この日はさらに、風も波も穏やかで、なんとも気持ちのいい日和でした。
いつぞやの夫婦岩の大注連縄張替神事の天気が、嘘のようであります。

さて、こちらの二見興玉神社ですが、ご祭神は猿田彦命(さるたひこのみこと)です。そう、あの「天狗さん」のモデルとなった神さまです。
この神さまは、天の岩戸開きで一世一代のパフォーマンスを演じられた天宇受売命(あめのうずめのみこと)とご一緒になられたのですが、この夫婦岩の沖合い700mのところで巨大なシャコ貝に手を挟まれて落命されたのだとか。

その猿田彦命の化身が、落命された場所(海中ですね)に鎮座されている「興玉神石(おきたましんせき)」でして、この伝説の石がこの神社のご神体なのです。
ですのでここ二見興玉神社は、ご神体を拝むための拝殿はあるが本殿はない、という少々変わった造りの神社となっています。

このような特殊な造りの神社は、他には三輪山をご神体とする三輪神社だけのようですね。

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鳥居の奥は、有名な夫婦岩です。
本来は、拝殿からではなく、こうして夫婦岩を正面から見る形で参拝するのが、ここでの正しい参拝の形なのでしょう。
というのも、実はこの夫婦岩ですが、さきほどご紹介しました興玉神石の「鳥居」の役割を果たしているのだそうで。

はるか昔の自然信仰の時代には、この大小に寄り添って並ぶ岩が、この沖合いで落命した猿田彦命の伝説と相まって、仲睦ましかった猿田彦命と天宇受売命の姿を思いおこさせると同時に、興玉神石への結界と考えられたのでしょう。
ですので、この夫婦岩を正面に見る位置に立ち、鳥居である夫婦岩を通して 沖のご神体である「興玉神石」を参拝する、というのが、ここ二見興玉神社における正しい参拝の作法であろう、と思うのです。

そのようなことを知ると、いま神社としてある拝殿や他の鳥居もすっぱりと取り去った方が、よりピュアな形でかつての日本の自然信仰の姿を偲ばせてくれるのになあ、などと考えてしまいます。

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かつてこの二見興玉神社の社格は、二見の村社でした。
その村人たちが、非命に斃れた猿田彦命を偲びながら、年に三回 この全長35mもある注連縄を架け替えるという作業を行い、この夫婦岩と興玉神石の伝説を大切に守ってきたとは、なんと心優しき人々なのだろう、と思います。
そして、自然が作り出した奇観を様々に見立てる古代人のイマジネーションの豊かさに、あらためて驚きと敬意を抱いてしまいます。

ところで、この夫婦岩の沖合いは、様々な魚が多数生息する、とても良い漁場なのだとか。
古代より連綿と猿田彦命への信仰を守り伝えてきた村人への、猿田彦命よりの感謝の贈り物なのだろうか、と思う主人であります。

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コメント

 お久しぶりです。
 二見興玉神社の夫婦岩の沖合いには猿田彦大岩のあったという比較的浅い岩場があって魚が良く獲れるといいますよ(未確認情報ですが...)。
 拝殿だけあって、本殿のない神社、三重県にももう一社ありますよ。
 多度神社です。多度はその一番奥まったところに二坐の社が鎮座していますが、向って左手が多度大神を祀りますが、向って右手に鎮座する天目一箇命(別宮)、別名を一目連神社は拝殿だけあって、その先には多度鏡(30面)などが出土した経塚遺跡を拝するようになっているのです。

投稿: mga | 2007年2月20日 (火) 20時31分

mga様、いらっしゃいませ。お久しぶりでございます。
お、お多度さんも、本殿がないのですか。これは、失態! ウソを書いてしまいましたね。
いやいや、よく調べて書かねばなりませぬ。

ご指摘、ありがとうございます。

投稿: 伊勢屋主人 | 2007年2月20日 (火) 20時32分

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