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2006年12月21日 (木)

またひとつ、灯が消える。。。

伊勢屋主人です。

実は、私はもしかしたらコーヒー中毒かもしれません (^^; 
毎朝、必ずコーヒーを飲まないと、頭が働き出さないのです。
え、それはコーヒー中毒ではなく、頭が怠惰なだけですって? う、それも真実ではありますけど(汗)

ともかく、朝は必ず、そして仕事が立て込んでくると1日に3回ほどはコーヒーを飲まないと気がすまないのです。
さらに、よっぽど忙しいときでないとインスタントコーヒーは飲まないという、自分でも厄介なヤツと思うのですけど、その都度コーヒー豆を挽いてドリッパーで淹れたくなるんですね。
まあ、この豆を挽いてコーヒーを淹れるという時間は気分転換にもなり、淹れながら物事を考えているときでもあるので、決して非生産的な時間ではない、と自分では考えていますけど(笑)

ところで、そんな私でありますから、美味しいコーヒー豆を入手することには、関心が高い。
三重県に来た頃、どの店が美味しいコーヒー豆を売っているかもわからず、あっちこっちの店で買ってはがっかりする、ということを繰り返していました。

Oldclock01

そんな時、友人に紹介されたお店が、伊勢市の古市にある『古時計』というお店でした。
こじんまりとしたお店なので、知る人ぞ知る、という言い方がぴったりかもしれません。
オーナーは、今年で70歳になられたとか。

はじめて訪れた時のオーナーの印象は、「何かコワいひとだなぁ~」というのが正直なところでした。
ドアを開けた時、ちらっとこちらを見て ぼそっと「いらっしゃい」という一言で、あとは黙っている。そんな感じでしたので、ちょっとビビッてしまったのです (-_-;;
でも、しばらくしてまた豆を買いに行ったら、「いらっしゃい」の一言が微妙に違うんですね。「お、こいつまた来たな」という雰囲気が感じられて。
それ以来、ここ伊勢の『古時計』と津の『カフェブティック河野』という、二つのお店のコーヒー豆を愛飲するようになった私なのです。

Oldclock02

なぜ店名が『古時計』なのかは、店内に入ればすぐにわかります。
木目もきれいな壁いっぱいに飾られた、古いぜんまい式の掛け時計が迎えてくれるのです。
コチコチと懐かしい音を立てているものもあれば、すでに針が動かなくなったものも。
正時には、次々に「ボーン ボーン」とか鳩時計の「ピッポー、ピッポー」といったこれも懐かしい音が、少しずつずれながら響き渡っていきます。

お店にもマスターにも慣れた今は、たまにここでくつろいで飲むコーヒーが何より美味しいと感じています。
それはコーヒーだけでなく、『古時計』で感じる空間と時間に、馴染んでいるからなのでしょう。

Oldclock03

ところが。。。
このお店が、年内28日を最後に店じまいをされます。
平成元年に開業されたそうですから、18年間続いたお店の歴史が、この年末で終わります。

廃業の理由は、「年取った」からだ、とオーナーは話してくれました。
18年という歳月の中で、ご自身もそうですが、何よりお客さまがお年を召されて、古市の坂の上にあるお店になかなか来られなくなってしまったのだそうです。
そうして、常連さんが一人減り二人減り、「あの人 最近見なくなったなぁと感じることが多くなった今が、そろそろ潮時だろうと思うんだよ」、と淡々とお話になる言葉の中に、幾分かの湿り気を感じたのは、私の思い過ごしでしょうか。

廃業のあと、このお店は誰にも貸さずに、そのままにしておくつもりなのだとか。
オーナーの気持ちは痛いほどわかりますが、それはそれで時々ここを通る私にとっては、またつらい光景なのですけれども。

Oldclock04

私は、このお店のこんな陽だまりで、時間を過ごすのが好きでした。
またひとつ、居心地の良い場所が消えていくのですが、それは黙って見送るしかないのでしょう。

『古時計』最後の日の28日には、もう一度この椅子に座りに行こう、と堅く心に決めている私なのです。

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コメント

こんばんニャ~ 「古時計」さんが開店されてすぐの頃よくコーヒーを飲みに行きました・・・ 姉が「久世戸」在住で、好きな町でもあったのニャー マスターと顔見知りになって沖縄のシーサーを飾っていただいたのニャ~ しばらくしてカイネコは石垣島へ・・・ 今度伊勢に帰ったらコーヒー飲みに行こうと楽しみにしていたのにニャー ううーっ淋しいのニャー

投稿: 西表カイネコ | 2009年8月14日 (金) 23時42分

西表カイネコ様、いらっしゃいませ!
伊勢屋主人です。はじめまして <(_ _)>

「古時計」さんが閉店されて、すでに3年目になります。月日が経つのは、本当に早いものです。。。
時々、あの時間がゆったり流れる空間と、一見無愛想で実はやさしいマスターの顔が懐かしくなるのですが、実際にそれを体験する術がないのは、とても淋しいものです。

主人は、伊勢では立ち寄る喫茶店がもうありません。
コーヒー豆は、時々「ダフネ」さんでいただきますが。

投稿: 伊勢屋主人 | 2009年8月17日 (月) 07時07分

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