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2006年10月25日 (水)

伊勢の名物 ~ その一

伊勢屋主人です。

私の住まいは、三重県の中でもどちらかと言えば南寄りの、伊勢市にほど近い場所にあります。
歴史の古い土地柄ですので、何の説明もないこんもりした林が、実は伊勢神宮の祭祀に深い謂れのある神社だったり、集落を貫いて走るたいして広くもない道が、実はかつて賑わった街道であったりします。
そういった、知らなければ見過ごしてしまう街道の中に、「伊勢参宮街道」と呼ばれる道があります。その名の通り、かつての伊勢之国を縦に貫いて、旅人を伊勢神宮へと導いた道です。

今回ご紹介する『へんばや』さんは、その参宮街道の終点にほど近い、旧小俣町(現在は、合併により伊勢市)にある老舗です。

『へんばや』さんは、へんば餅という搗き立てのお餅の中にあんこを詰めたお餅を、七代前のご先祖が230年ほど前に現在の地に移られて以来、ずっとここで商っておられます。
へんば餅という名前は、漢字で書くと「返馬餅」となります。
かつて伊勢神宮にお参りする人々がこのお店で疲れを癒し、旅立つ時にそれまで使った馬を返していったことから、いつしかへんば餅と呼ばれるようになったのだそうです。

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こちらが、『へんばや』さん 本店のたたずまいです。そして、この前の道が、かつての伊勢参宮街道なのです。
いかにも、そういった土地柄に相応しい、重厚な歴史を感じさせてくれる建物でしょう。
風にそよぐ麻ののれんも、私の目にはとてもいい感じで、好ましく映ります。

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こちらが、店内の様子。
なんとも素朴で、しかもタイムスリップしそうなこのお店の雰囲気、いい感じでしょう。

お店の中には、江戸時代に使われた旅行用の道具なども展示され、ちょっと腰掛けて休むこともできます。
しかも、へんば餅はひとつからでも買えますので、それを買ってお店に腰掛けて、お茶をいただいたりしていると、まるで自分も参宮途中に休んでいる江戸時代の旅人であるかのような思いにとらわれてしまいます。

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こちらが、そのへんば餅。
素朴な姿のお餅ですが、とても美味しいのです。
この焼き目が、またよろしい。ほのかにこうばしい香りがいたします。

お餅はしっとりと柔らかく、中のあんこもさっぱりとした甘さで、私には程良い 好みの味なのです。
お店を外から眺めると、餅米を炊いでいるのでしょう、いつも湯気が立ち上っています。その証拠に、このへんば餅はいつも作りたてで、温かいのです。

一つ残念なのは、この本店か国道23号線沿いのお店でないと、このへんば餅を買うことができないこと。
お餅ですからすぐに固くなってしまうので、『へんばや』さんの方針として、その日に売る分しか作らないのです。

でも、私の意見を申し上げれば、固くなったこのへんば餅を軽く炙った、いわば「焼きへんば餅」も美味しいのですけれどね。
いつも10個入りのへんば餅を買って、わざと2つほど残しておいて「焼きへんば餅」にしたりしている、私です。
『へんば屋』さんにとっては、不本意な食べ方をしているのかもしれませんが(笑)

e-伊勢屋でも、このへんば餅を全国にお届けしたいのですが、どうも無理なようです。
ですので皆様、どうぞこちらのお店までお運びいただき、へんば餅の味とお店のレトロな雰囲気の双方を楽しんでくださいね。

【有限会社 へんばや商店 本店】
三重県伊勢市小俣町明野1430
でんわ:0596(22)0097

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