« 再生古民家訪問 - その弐 | トップページ | 熊野 丸山千枚田 »

2006年5月30日 (火)

再生古民家訪問 - その参

伊勢屋主人です。

旧宮川村 再生古民家のお住まい訪問記の三回目です。
今回は、この建物の設計をなさった、エープラスエス建築設計事務所 代表の小倉 均さんにお話を伺いましょう。

Ogura3

 ■ 小倉さんが古民家再生をなさる時の考え方について、お聞かせください。
   -私の考え方は、その民家が建築された当初の、”素の姿に戻す”ということなんです。
    ですから、リフォームではなく、「リ・リフォーム」と自分では言っています。

 ■ 建築当初の姿、といっても、現代の建築物と要求される条件は違いますよね。
   -”素の姿に戻す”と言っても、現代の建築物に要求される条件は、当然違います。
    今回の物件も80年以上前の建築ですから、例えば耐震強度なども全く違います。
    現代の建築物に必要な対策は、きちんと施した上で、建築当初の姿に近いものにする。
    これが、私の狙う再生古民家の姿なんです。

 ■ 現代の建物に要求される設計配慮は、具体的にどのような点に施されたのでしょう。
   -今も言いましたが、耐震強度については、いろいろと工夫しました。
    具体的には、建築当初にはなかった耐力壁を設けました。
    でも、この壁を新たに作ることによって、狭苦しい感じや暗い家になってはダメなので。
    この点は、とても考えましたね。

 ■ なるほど、私もあちこちに外光を取り入れる工夫をされているように、感じました。
   -日本の民家は、もともと外光を採り入れる、という感覚が薄いんです。
    内部が薄暗い建物が、多いんですね。
    でも、現代の建物に慣れていると、それは暮らしにくいです。
    それで、外からいかに自然に光を室内に導くかは工夫ししました。
    それと室内に「広々感」を出すこと。これも、工夫した点です。

Room

 ■ それは、どのようにされたのでしょうか。
   -障子や引き戸を開けたときに、障子が耐力壁の後ろに収まるようにして、目立たなくしたんです。
    こうすることで、窓や障子が全開口できるので、広々感が出て、同時に風通しもよくなったんです。

 ■ 確かに、南の窓からいい風が入ってきました。
   -ええ、施主さんにも、その点は喜んでいただけました。

 ■ 今回の設計を振り返ってみての感想を、聞かせていただけますか。
   -ともかく、やりやすかった、というのが一番です。
    施主さんも、藍住空間プランニングさんも、私を信頼して全てを任せてくれましたから。
    施主さんと設計側との、理想的な関係だった、と言えると思います。
    ですので、私としては存分にやった! というのが、今回の物件ですね。

 ■ では、会心の出来だと。
   -そうですね(笑)。
    でも、そこで止まってはいけない、と思うんです。
    設計する立場としては常に工夫しなければいけないと思うし、工夫するところは物件の条件が
    違えばいくらでも出てきますから。

 ■ 常に前進だということですね。
   -ええ、そうですね。設計の仕事って、そういうことだと考えています。
  
 今日は、楽しくまた興味深いお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

Flower

建築にはずぶの素人の主人にも、わかりやすく丁寧にお話してくれた、小倉さんでした。
小倉さん、楽しい時間をありがとうございました。

これから、この素敵なお宅でオーナー様がどのような豊かな時間を過ごされていくのでしょう。
おそらく晴耕雨読の、天の運行に従った、時間なのでしょうね。
そんなことを、楽しく想像する主人でした。

【小倉 均さん】
エーアンドエス建築設計事務所  代表
三重県度会郡大紀町崎745でんわ : 0598(74)2300

|

« 再生古民家訪問 - その弐 | トップページ | 熊野 丸山千枚田 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/165002/5120865

この記事へのトラックバック一覧です: 再生古民家訪問 - その参:

« 再生古民家訪問 - その弐 | トップページ | 熊野 丸山千枚田 »